豊前の求菩提に向けて車を走らせること、およそ25分。
山と山の感覚が狭くなり、ああ、今、谷を走っているのだなと実感する。
そんな山間に手仕事村やまぼうしはある。
豊前の山手にあるカフェと展示スペースを兼ねたお店だ。
訪ねた目的は、ある作家さんの展示会とその作家さんにお話を聞くことだ。
中へ入ると和気あいあいとした楽しそうな雰囲気。
展示会に合わせて開催されていた、ワークショップの真っ最中だった。
展示会の名前は『櫻井はるみの服』
豊前市在住のデザイナー兼作家の「櫻井はるみ」さんの展示会だ。
この写真の方が櫻井さん。まずはどのような服を作っておられるのかを写真で見ていただきたい。
展示されていた服たち
写真を見ていただければお分かりのように、
独創的なデザインや素材使い、
手仕事や織りの素材づかい
そして、カラフルな色で、
見るものを楽しませてくれる、櫻井さんの服。
着てみるとこんな感じだ。
ちょっと試着してみる
ちょっと肩幅が窮屈だったが、男性が着られるサイズもある模様。
じゅんちーが着るとこんな感じ。
ご本人も試着。
櫻井さんとツーショット。
服は楽しい。
身にまとうだけで、気分を変えてくれたり、
その人が着ている服を見るだけで、
なんとなくその人が分かったり。
私たちの生活ではなくてはならないものでもある。
櫻井はるみさんインタビュー
豊前市に暮らしながら
これらの服を作っておられる櫻井さん。
お話を伺ってみた。
ぶぜんらいふ。:作品について教えていただいていいですか?
櫻井さん:「全てが一点ものです。その時の素材と自分との気持ちを大切に作っています。」
ぶ。:オーダーはできるのでしょうか?
櫻井さん:「オーダーは受けていません。要望を聞いていると窮屈になってしまうので、あくまで作る時は、自分が自由でありたいと思っています。
ただ、素敵な人にお会いすると、作りながらその人の顔が浮かぶことがありますよ。」
ぶ。:こだわりはありますか?
「素材を生み出すことが好きなんですね。ですから、現在作っている服も、フェルトや織りから素材を作り、それを生かした服にしています。
また、服のデザインは造形的なものが好きで、元々、店舗デザインをやっていたからでしょうか、平面的なものよりも、立体感のある、動きのあるものを取り入れてしまいます。」
櫻井さんのおっしゃる通りこのスカートも動きの出るデザインになっている。
スカートとしてだけでなく、頭から被ると、ポンチョのように使用することもできる。
ぶ。:服を作ることになったきっかけは何だったのですか?
櫻井さん「グラフィックの専門学校を出て、その後、店舗デザイン、設計や施工する会社に勤めていました。
その時に、室内をディスプレイする場面があって、壁面に何かを掛けたいと思って作品を作ったのがはじまりです。」
デザインということで共通していたのかもしれないが、
自分で作るという選択をされたのが、面白い。
また、この道に進んだのは、幼少期の影響も大きかったようだ。
「実家は工務店をしていまして、当時は家族や職人さんも合わせて、10人くらいの大家族で生活していました。その中で、少し変わり者の祖父がいました。今の言葉で言うと、とてもスローライフな人で、
突然いなくなったと思ったら、四国にお遍路に行っていたり、どこからかズボンやいろいろなものを拾ってきて修繕したりと、
当時は恥ずかしいと思っていたのですが、今考えれば大事な精神だなと思いますし、好きな生き方をしてた人だなと思いますね。
少なからずその影響はあるのかなと思います。」
ぶ。:苦労はありますか?
櫻井さん:「展示会は大分、熊本、広島、愛知、東京など各地を回ります。
結果的に1年間に150着~200着ほど作ることになります。
大変ですが展示会に来てくださったお客様が、
「こんな服があるんだ!」と嬉しい発見をしてくれる喜びがありますね。」
豊前での生活
ぶ。:豊前の印象はいかがですか?
「28年前、結婚を期に豊前に来ました。はじめは海側の街の方に暮らしていたのですが、
主人が病気になったことや、子どもを田舎で育てたいと思っていましたので、23年前に山手に引っ越しました。
新しい土地でしたが、引っ越す前にあいさつに伺った時点で、
地域の方たちが「なら、常会に出てくるか?」と、すぐに受け入れてくれました。
そのことがあっったので、今でも受け入れ合う気持ちを大切にしています。
また、この場所は、四季折々がはっきりしていて、人々の営みがその中にあるなぁと感じるのが、山手の魅力ですね。そして、それがそのまま、ものづくりのエネルギーになっています。
目指すところ
「次世代にものづくり、創作の楽しさを伝えたいですね。
人と人をつないでいくことや、若い人との関係を大切にしたいです。
私が地域の方に受け入れられたように、これからは私たちの年齢なりのつなげ方をしていければと思います。」
編集長的まとめ
「作るときは自由でありたい。」という言葉がとても印象的で、自然体で創作しておられるのだと感じた。
生きることや生活が窮屈だと感じている若い世代にとってこの姿勢というのは、とても重要なことかもしれない。
もし、機会があるならば、ぜひとも一度、櫻井さんの服とその人柄に触れて欲しいと思う。
(写真・井之上淳子、大江英崇)
次回、展示会案内
櫻井はるみ
2017 Autumn/Winter Collection
★9/19(火)-27(水) 【熊本/ギャラリーMOE】
〒860-0803 熊本市中央区新市街13−24
096-355-9238
https://goo.gl/maps/AhLJFhAtCES2
http://www.gallerymoe.com/index.html
★10/13(金)-22(日) 【福岡/手仕事村やまぼうし】
〒828-0085 豊前市鳥井畑617
https://goo.gl/maps/BMmp3qJGoXM2
★10/28(土)-11/8(水) 【山口/俥宿 天十平】
〒758-0077 山口県萩市南古萩町33−5
0838-26-6474
https://goo.gl/maps/yLxpwQTjiLS2
★11/14(火)-25(土) 【広島/バザレ】
〒731-0154 広島市安佐南区上安1丁目1−8
https://goo.gl/maps/5Eb5dC9Q16q
★12/2(土)-10(日) 【静岡/ギャラリームーンシスターズ】
〒431-0301 湖西市新居町中之郷3807−1
Tel 053-594-7071
https://goo.gl/maps/dNHG3w6PwfC2
★12/5(火)-15(金) グループ展【静岡/ポップアップスタジオ】
〒422-8075 静岡市駿河区大坪町1−28
https://goo.gl/maps/MkrH5wNs9aD2
http://popupakiko.jp
★12/22(金)-1/17(水) 【大分/ギャラリーあり】
〒879-5102 由布市湯布院町川上1269−8
https://goo.gl/maps/ycj7ZGc8jCC2
「手仕事村やまぼうし」の概要
店名 | 手仕事村やまぼうし |
---|---|
ジャンル | カフェ・ギャラリー |
住所 | 828-0085 福岡県豊前市鳥井畑337-2 |
アクセス | 豊前インターから19分(11.9km) |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 月曜日・火曜日・水曜日・木曜日(祝日の際は営業)
※冬季休業 |
問い合わせ先 | 090-5559-5400 |
参考サイト | Sakurai Harumi Work Facebookページ |


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